291 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/09/25 23:27
聞いた話。
ある男が山菜を摘んでいると、背後から何物かが近づいてくるような音がした。
てっきり猪か熊だと思い込み、慌てて手近な木の上に登って下を見ていると
姿の見えない何物かによって草や灌木がなぎ倒され、けもの道が出来上がっていく。
それが遠ざかってから下に降りてみると、辺りには百合の匂いが漂っていた。
292 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/09/25 23:28
聞いた話。
その杣取りは、毎朝桜の木の根元にあるお地蔵さまに手を合わせるのを日課としていた。
ある日、手を合わせている最中にお地蔵さまの顔が何処となく悲しげに見えた。
そこで、五分咲きの桜の枝を手折りお地蔵さまの足元に添えた。
夕刻山から下りてくると、満開となった桜の枝がお地蔵さまの頭を貫いていた。
293 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/09/25 23:29
聞いた話。
枯れた竹薮に湧く化け物がいるらしい。立木を引き倒し、大雨を降らせると言う。
嵐の夜、見回りをしていた男が、半年前に枯れた竹薮の足元に来た時
黒髪のようなものが絡み付いた木々が、土石流と共に押し寄せてきた。
慌てて逃げる男の後ろから、甲高い笑い声が追いかけてきた。
294 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/09/25 23:30
聞いた話。
一仕事終えた男が山で酒を飲んでいると、突然耳もとで声がした。
「馬鹿だな、馬の小便なんか飲んで」それを聞いた途端、
口の中に何とも言えない味が広がり、男は思わず酒の瓶を放り投げた。
一瞬後、我に返った男がいくら探しても瓶は見つからなかった。
295 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/09/25 23:31
聞いた話。
ある人が山中の滝壷の側で休んでいた。
何気なく滝に近付いた際、轟々と流れ落ちる水の中で腹を見せて泳いでいる魚を見つけた。
尾ひれを優雅にくねらせる魚の周囲の水は静止しているようにも見える。
思わず顔を近付けたその時、向こう側の水面から突き出した嘴が魚をついばんで消えた。